本松明(ほんたいまつ)とは
日本国内の松が壊滅的な被害を受けはじめてから久しくなります。赤松の大木はどんどん減少しています。
さて、樹脂を多く含むマツの根は「あかし(松明)」「ひで」などとも呼ばれ、それ自体に火をつけて明かりとして利用されてきました。また、油絵で「テレピン油」というものを使いますが、生の松のテルペン成分を水蒸気蒸留したものが原料の一つとなっています。
本松明(ほんたいまつ)とは、樹脂の多い赤松の大木を伐採した後、松根が永年土中に埋まったままとなったものです。腐朽しやすい部分は土中での分解によって消滅し、同時にテルペン成分が残った部分に凝集します。この時、松根はテルペン成分の凝集や結晶化によって透明感を持つようになります。自然のいたずらによってあたかも松根がロウソクのようになったものです。このように土中での形成過程を経て、本松明(ほんたいまつ)が生成されます。
今回販売する本松明(ほんたいまつ)は、伐採時150年生の赤松。伐採してから30年以上土中に埋まっていました。鳥取県八頭郡智頭町の林業家の方が所有する山林から重機で掘り出したものです。
いったん火をつけると、永年土中に眠っていた憂さをはらすかのように勢い良く燃え出します。ただし、真っ黒い煙を出しながら、というあたりが妖怪的でもあります。
焚付材としての使用
歴史的にも明かりのルーツとして使用されてきた松根です。焚き付けとしての火力は抜群です。大変に貴重な商品ですが、いにしえの時代を偲んでお試し下さい。
アロマとしての使用
元々、芳香成分であるテルペンが高濃度で凝縮しているのが本松明です。しかし、長期間土中での凝集過程を経る間に、揮発性の特に強い(ツンと香る)成分はすでに放散してしまっていると考えられます。よって主に徐放性の(甘く香る)成分が凝集している状態と思われます。本松明(ほんたいまつ)を室内に置くことによって、市販のエッセンスオイルに比べて長期間にわたって香りが楽しめるものと期待しています。実際に、『薪クラブ』では化粧室に200グラム程度の束を1つ置いてありますが、テスト期間の3ヶ月間を過ぎても香りが保たれています。水蒸気蒸留によって樹木の芳香成分を集めた「エッセンスオイル(精油)」に比べて香りは弱いのですが、ふと香る甘いウッドノート(木の香り)を楽しむことができます。
樹木に含まれる芳香成分には、揮発性の高いもの(低温で揮発してしまう)から揮発性の低いもの(低温では揮発しにくい)ものまで含まれています。市販されているエッセンスオイルは、生の植物に熱をかけて、水蒸気蒸留によって集めます。原料の植物が生なので、様々な成分が含まれています。つまり目や鼻に刺激のあるような揮発性の高い香りも含まれています。このような成分は室内で適度に希釈されると「さわやかな香り」と表現されます。実は、「フィトンチッド」と総称される植物の芳香成分は植物の自己防衛(攻撃)のために分泌されている成分であると考えられています。本松明の香りは、そのような刺激臭ではなく、「強くはないが、なんとなく香る」という種類の香りです。

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