当社生産の薪について

鳥取県智頭町の当社支店から全国のお客様にお届けしています。薪になる原木(げんぼく)は近隣の山から切り出されたものです。したがって、産地は鳥取県と岡山県北部となります。
毎年大量の薪を割り、長期間自然乾燥させてから販売、出荷を行っています。(乾燥期間は品目により異なります。各商品ページをご参照ください)




薪作りと想い

失敗を繰り返しながら薪作りを工夫してきました。

薪は生産時期と数量を管理しながら結束せずに自然乾燥させています。割ってすぐに結束したほうが作業効率も良いですし、保管・出荷効率も良いのですが、先に結束すると薪同士がくっつき合うところが乾きにくく、カビが発生しやすくなるため、薪クラブでは乾燥後の「出荷前結束・梱包」を採用しています。更に、お届け後も引き続き乾燥を促進するため、樹皮を内向きにして結束するように心がけています。樹皮からは水分が抜けにくいため、結束の形を多少犠牲にしてでもこの方法を続けています。

薪作りはこれまで完璧だったことはありません。品質に関わること、作業に関わることなど毎年何らかの問題を抱え、乗り越え、を続けています。

規定の乾燥期間を満了した薪は、結束や梱包前に金ブラシやエアーコンプレッサーを使って表面に不着した屑や虫を除去しています。(虫は主に初春から初夏にかけて結束梱包後、輸送中やお届け後に薪から出てくるものがあります。これらは防ぎようがありません)

天候の影響や個体差による乾燥コンディションの違い、作業従事者の熟練度など、薪の品質を高いレベルで維持していくことは大変難しいのですが、当店の薪をお使いのお客様に、できるだけ良い品物を使っていただき永くお付き合いしたいという思いを込めています。これからも真面目に薪作りに努めてまいります。




薪の種類について

樹種による薪の特徴

薪になる樹種は大きく分けて「広葉樹・落葉高木」「針葉樹」で区別できます。一般的に薪ストーブや暖炉には広葉樹・落葉高木が使われます。それは平均して針葉樹に比べると火持ちが良いからです。ただし、薪自体の物理的大きさや乾燥具合で条件は変わってきます。薪クラブでのいちばん人気はナラ薪ですが、価格が安いスギの薪も良く使われます。

広葉樹
落葉高木
ナラ 火持ちや火力に優れ、流通量も安定していることから、最も人気があります。
カシ ナラを凌ぐ品質を持つ樹種。備長炭の原料に使用されることからその性能を窺い知ることができます。
サクラ 燃焼時の香りが評判で、クッキング用に人気があります。火持ちはナラに劣ります。
メープル 燃料としてはナラに近い能力をもっています。日本で流通している薪は本国で人工乾燥されています。
その他広葉樹 上記樹種に分類されない広葉樹や落葉高木をブレンドしました。火持ちは樹種によりバラつきがありますが、その分リーズナブルです。
針葉樹 スギ 日本の人工林の大半を占める樹種。広葉樹に比べて火持ちは劣りますが、最も入手し易い樹種のひとつです。
ヒノキ 木の香りといえばヒノキを連想される方も多く、様々な木製品に使用されています。火持ちはスギより良く、ナラなどの堅木に近い火持ちがします。
マツ スギ・ヒノキと並んで馴染み深い樹種。主に陶芸窯に用いられますが、油分が多く個人宅の暖房用にはあまり向いていません。焚き付け用には適しています。





薪の火持ちと使い分け

同一環境・同一サイズでテストをすればカシ・ナラが火持ちが良く、針葉樹は明らかに劣ります。しかし実際には割りの大きさや長さによって、またはご使用方法(空気の流入量など)により大きく異なってきます。火持ちの良し悪しをはかる簡単な方法は、乾燥した薪を手にとって、ずっしりと重い薪は火持ちが期待できます。対して乾燥すると軽くなる薪は、あまり火持ちを期待できないと判断できます。

薪ストーブや暖炉などはナラやカシの薪を、あるいは太い薪を中心に使うのがおすすめです。焚火台やキャンプファイヤー、飯盒すいさんなどアウトドア利用の場合はスギなどの針葉樹やナラ、ミックスの中割、細割などが火持ちは期待できませんが着火性が良く使いやすいのでおすすめです。

石窯(ピザ窯)で使う薪もアウトドア用と同様にあまり太くない薪のほうが火力調節などがしやすくなります。プロのピザ職人の多くはナラの細割を使っています。






保管方法

薪は乾いているほど熱効率が良くなり、暖かいものです。ストックする際も、その場所で乾燥を意識した置き方を心がけてください。結束をほどき、箱から出して屋外の風通しの良い場所に樹皮を下に向けて積み上げるのが理想です。薪は日光と風で乾きます。真上から直接雨がかからない場所や方法を選んでください。乾燥が進んだ薪は多少の雨ならすぐに乾きますので、あまり神経質になることはありません。






薪から出る虫

薪には一定の確率でカミキリムシなどの幼虫がいます。薪棚に耳をすませば幼虫が薪を食べる音が聞こえます。春になれば成虫になって薪から出てきます。伐採時期を調節したり、結束梱包時に出てきた虫を除去するなど、虫の影響を減らす工夫はしていますが、防ぎようがありません。虫はクレーム対象になりませんのでご留意くださいませ。

虫が出る前提で薪と付き合ったほうが、気が楽になります。虫が出てくる時期はストーブシーズンの後半以降ですので、備蓄を減らしたり屋外と屋内の保管比率を変えるなどするとあまり影響を感じないでしょう。出てきた虫は家屋を食べるようなことはありませんので、ご安心ください。

虫の駆除は市販の殺虫剤で対応できます。(当店では出荷時に殺虫剤は使用しておりません。)薪の中にいる虫には効きません。完全に虫が出ない薪をお求めの場合は強制乾燥処理をしている薪を販売している業者様からのご購入をお薦めいたします。

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